鰹節にオスとメスが…
「オスからできた鰹節」と「メスからできた鰹節」ってこと?
違うよ…
君が言ってるのは「雄節(おぶし)」と「雌節(めぶし)」のことかな。
この呼び名の違いは、カツオの「部位」に秘密があるんだ。
部位に秘密が…
ちょっと気になるから教えてよ。
よし、僕の大好きな鰹節について、ちょっと解説していくぞ!!
鰹節(かつおぶし)にはオスとメスがある!?
上記で簡単な説明がある通り、鰹節には「雄節(おぶし)」と「雌節(めぶし)」があります。
この2つの違いは、カツオの性別ではなく、鰹節の原料となる部位にあります。
雄節(おぶし)は、男節(おぶし)や背節(せぶし)とも呼ばれ、背節からわかる通り、カツオの背中側を原料としてつくられます。
雌節(めぶし)は、女節(めぶし)や腹節(はらぶし)とも呼ばれ、腹節からわかる通り、カツオの腹側を原料としてつくられます。
なぜ雄節と雌節なのか?
原料となる部位で呼び名が変わることはわかりました。
ではなぜ「雄」と「雌」なのか。
この理由は鰹節の形にあります。
まず鰹節を作るときは、3枚におろし、背骨のない2枚をさらに半分に切ります。こうしてできた背骨のない身の部位を鰹節に加工するため、1匹から4本の鰹節ができることになります。
このとき背側はしっかりと身がまっすぐ詰まっていますが、腹側は内臓がもともと位置していた部位ですので、下の画像のように、えぐれています。
以上のような形の見た目から、まっすぐ伸びて大きい背側を男性として「雄節」、丸みを帯びて少し小さい腹側を女性として「雌節」と呼ぶようになったようです。
昔から関西の方では婚礼関係の贈答品として雄節と雌節のセットがよく使われているのは知ってる?
夫婦仲良くという意味が込められているんだ!
雄節と雌節の味と適した料理
上記までで、雄節と雌節と言っても、同じカツオから加工されていることがわかりました。
では味は違うのか?こんな疑問がわいてきますね。
実は背側と腹側では、筋肉や脂肪の量が異なるため、取れる出汁の味が異なります。マグロの刺身で考えると、赤身とトロでは全く味が異なりますよね。そのように、やはり部位によって味は変わるのです。
ここではそれぞれの味の特徴と、それに適した料理を解説していきます。
雄節(おぶし)
味
雄節は脂肪分が少なく、スッキリさっぱりした出汁とれ、そのものの味も若干薄味です。
適した料理
お豆腐(冷奴)や、お吸い物のお出汁をとるときに使用するのがおすすめです。
雄節自体が薄味のため、トッピング相手も薄味の食品にすることで、素材の味を活かしつつ、雄節の優しい香りを感じることができます。
雌節(めぶし)
味
雌節は脂肪の量が多く、味にコクがあり、旨みの強いお出汁が出ます。
適した料理
出汁の味が強いため、煮物や味噌汁、麺つゆといったしっかりとした濃い味の料理に向いています。
また、細かく削れるので、ご飯に混ぜても美味しいです。
ちなみに、市販されているカツオ節には、雄節と雌節の両方が混ざっている場合も多い!
削られたものをどちらか判断するのは至難の業、そこは気にせず使用するのが吉!
まとめ
雄節と雌節の違いは「原料となる部位」です。それぞれの味の濃さが異なり、雄節は豆腐やお吸い物、雌節は味噌汁や麺つゆなどと、適した料理も異なります。「この料理には絶対に雄節」などそんな決まりはありませんが、料理にこだわる際は雄節と雌節の出汁を使い分けてみるのも楽しいかもしれません。
以上です!
ありがとうございました〜!
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